やっぱり失敗

丸2年、作りっぱなしで電源さえ入れていない6800ボードの動作確認をしようと決意。いままで動作確認をしなかったのはただ単に優柔不断なだけかと思っていたが、決意してみると意外に課題が多い。1秒おきにLEDを点滅させるプログラムを作ろうとして6800の命令体系を熟知していないことに気付く(スタックにプッシュできるのはレジスタAとBだけって知ってた?)。とても便利なアークピットさんのアセンブラはWindows10だと動かないのでOracle VM VirtualBoxのWindows XPで使う。ブレッドボードにフリップフロップとLEDを組み立てて6800のバスに直結し、電源を入れた。

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LEDは点灯したが喜びもつかの間。1秒たっても消えないでつきっぱなし。ほらやっぱり失敗だよ。こういう場合、急いで電源を切るべきだが、つい写真なんかとっている。失敗の原因はいくらでも思い付く。プログラムを間違えたか、バスとフリップフロップの整合がとれていないか、PIC12F1822で間に合わせたクロックジェネレータが機能していないか、部品に不良が混じっているか。とにかく、動作しないことを確認した動作確認だったが、これはこれで成功への第一歩。

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6809の残骸

モトローラは6800の発表と同時に設計評価キットMEK6800D1を販売した。キットといってもIC一式とマニュアルのセットで、組み立ては自分でやらなければならない。評判が悪かったので、3か月後に専用のプリント基板が別売りされ、1年後には同梱された。という一連の経緯を調べてくれた同好の士が、MEK6800D1のIC一式で空欄になっているビットレートジェネレータMC14411の詳細を知りたいという。以前、実物を使った記憶があり、古い製作物を引っ張り出すことになった。

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ボクが生まれて初めて組み立てた6809のコンピュータがMC14411を使っている。現在でいえばCMOS標準ロジックの4060とほぼ同様な発振器付きカウンタで、単純すぎて何だか申し訳ない気分になる。ところでこのコンピュータ、ちょっとした自信作だったのに、当時もう付き合いのあった同好の士から配線は部品面でやるものだっていわれたっけ。以来、ぼくは徹底して配線は部品面でやっている。

SBC09

そこでやっちゃうのはどうかと思うと指摘されたハンダ面の配線。ハンダ付けした電線に再度ハンダ付けして電線を継ぎ足すという離れ技をやっている。普通こんなことをすると前にハンダ付けした電線が外れてしまってうまくいかない。どういう方法で解決したかは忘れてしまった。まあ情熱のなせるワザといえる。自分でもびっくりしたのだが、このコンピュータはこれだけの配線をひとつの間違いもなくやり遂げ、一発で動作した(はず)。

SBC6800Wire

WindowsがXP以前のアプリケーションを動かなくしたせいで1970年代のマイクロプロセッサの古いアセンブラが使えなくなってしまった。このところアセンブラのビルドに励んでいて、製作のほうはパッとした成果が上がっていない。仕方がないから何だかんだ言いながら古い製作物を持ち出して配線自慢なんかをやっている次第。

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6800が並列計算機の流れを変えた

現在のスパコンはほとんどの機種がXeonやOpteronなど市販のCPUをたくさん並べて速度を出す方法をとっている(TOP500参照)。こういう風に使われた最初のCPUが6800だとする説を耳にして、調べてみたら京都大学のPACS-9が6800を9個並べて7kflopsを出したらしい(Wikipedia参照)。最近面識を得たコムシのプロがその種の事情にとても詳しく、実物が国立科学博物館に展示されてますぜと教えてくれたので見学に行った。写真を撮るのは現場の状況からして無理だろうといわれたが、どうにか撮ってきた。ちなみに、事前に案内の係の人に写真撮影が許可されていることを確認。フラッシュと動画はダメ。

PACS-9は下の基板9枚とクロックジェネレータ基板とDMAをやると思われる基板で構成される。下の基板にCPUしか挿さってないのは、たぶんPAX-32を作るとき予算に窮し、引き抜いて流用したのだと思う。どういう仕組みで動いたかはICソケットのピン数でだいたい想像がつくが、間違えたら恥ずかしいから今はまだ言わない。

PACS-9

この展示は確かにフラッシュなしで写真を撮ろうとしたら最悪。薄暗い部屋に青い照明が、何の演出か、明るさを変化させたり裏側から光ったりする。PACS-9は少し高いところにあり、脇を絞めてカメラをしっかり持つというわけにいかない。間の悪いことに連休の真っただ中。無邪気なお子様たちにぶつかられ、失敗の連続。上の写真は奇跡の1枚。

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雑すぎる6800試作基板

コンピュータ歴史博物館に、モトローラのマスターアーキテクト、トム・ベネットが寄贈した6800ファミリーの試作基板が展示されている。その写真は下に示すとおりクレジットを入れる条件で非商用の利用が認められている。商用利用だとライセンス料を支払う義務がある。ライセンス料を支払って使う価値があるかどうか判定しろと依頼され、よく見たら、あらら、ICソケットへの挿しかたが雑すぎてピンが曲がってしまっている。わざと外した可能性もなくはないが、だとしたらやり方が乱暴で、愛情が感じられない。痛々しくて見るに堪えないので、なるべくなら使わない方向で検討するべきだといっておいた。

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ちなみに商用利用のライセンス料はこの解像度で1点50ドル。書籍に掲載するような場合は解像度がより高い写真が必要で、その料金は発行部数に応じて決まり、青天井となる。コンピュータ歴史博物館へ行って自分で撮影したものは使いかたに制約がない。カメラマンはカリフォルニア州マウンテンビューへ行く気満々でいるが、いずれにしろICが雑に挿さった写真なんか撮ってきたら使ってもらえないと思うよ。

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若松通商に8228があるぞ!

8080は電源が3つもいるから面倒くさいという話になっているが、そんなことはロジックの面倒くささにくらべたら大した問題ではない。そのロジックを整えるのが8080の半年後に発売されたクロックジェネレータ8224とシステムコントローラ8228/8238。これらはセットでひとつの普通に面倒くさいCPUを構成する。

このうち8228/8238は、ぼくがいったんは絶滅したと断言した飛び切りの希少品種。その後、ときどき目撃情報が寄せられるのだが確認すると売り切れている。そこで若松通商の通販でuPD8080AFCを注文するとき「当店へのメッセージ」に8228も取り扱ってほしいと書いておいた。つい先日、通販リストにuPB8228Cが追加されているのを発見。限定販売(納期10日)という怪しい条件付きながら、注文してみると確かに10日たって到着した。

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このブログや『インテル8080伝説』で動かしたコンピュータはCPUがuPD8080AでシステムコントローラがuPB8238C。それを入手したばかりのuPD8080AFCとuPB8228Cに挿し替えて動作確認。タイニーBASICとMUSIC OF A SORTがどちらも正常に動作した。

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これで再現性が復活。uPB8228Cがいつまであるかはわからないが、若松通商のことだから、売れるとわかれば再入荷するだろうと期待している。いやもうこのところすっかり若松通商の販促担当のようになっていて誠に申し訳ない。

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若松通商に8080が再入荷

ぼくの回りのごく限られた範囲では希少な半導体が入手できる穴場を見付けても口外しない慣例がある(みなさんは自由にやってください)。だからこの2年ずっと若松通商のことを黙っていたのだけれど、実際もうバレちゃっているので、ここは解禁でいいと判断した。『インテル8080伝説』で若松通商の通販リストにuPD8080Aがあることを話題にしたところ、これは売り切れたらしいが、現在またuPD8080AFCが販売されている。なんだ、再入荷するんじゃないか。

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さらに発掘調査を進めて世界で最初のDRAM、インテル1103を発見。システムを構成するなら8個必要だが、ちゃんと動かす自信がないので1個だけ購入。いずれ実験的な回路を組み立ててみようと思う。ちなみに『インテル8080伝説』で絶滅したと断言したuPB8228Cについても限定販売(数量25個、納期10日)を始めた模様。確認のために1個だけ注文してみたので、現物が届き次第、結果を報告しようと思っている。

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MC68A00偽造疑惑

マイクロプロセッサの標準版と高速版は、通常、出荷前に動かしてみて選別する。例外として、モトローラのMC6800とMC68A00/MC68B00はマスクが違うとされるが(只今事実確認中)、かつて東南アジアの一部地域に存在したブラックマーケットでは、価格の安いMC6800を仕入れて独自に選別し、マーキングをMC68A00に修正して販売したらしい。先日入手したMC68A00は、マーキングを削り取ったような痕跡があり、凄く怪しい。

fake68a00

ぼくはすでに日立製作所のHD468A00をもっていて、これはMC68A00の同等品ではなくモトローラのマスクで製造した完全同一品だから、内部の構造を調べる手立てが見付かれば、先日入手したMC68A00と比較して正規品か偽造品かを判別できる。とはいえ、その手立てが見付からない。どこかにIDでも書き込まれていないものだろうか。で、もし偽造品と判明したら、話のタネにもってこいだから大切に保管しようと思う。

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