一筋の希望

EEPROMのピン配置、機能、電気的特性は、代々、各社がインテルの製品に合わせるということで暗黙の了解が成立している。ただし、2716の前後はまだ確定的でない。インテルのi2716が基本5V、書込み電圧25Vなのに対し、テキサスインスツルーメンツは基本5Vと-5V、書込み電圧12VのTMS2716を作った。当時、何かに付けてインテルと反対のことをやっていたモトローラもテキサスインスツルーメンツの側について同名のTMS2716を作った。2KバイトのEEPROMはみな名前に2716が付くが、そのうちTMS2716だけはメーカーを問わず別物である。

ぼくはこの事実を知っていたがただの豆知識の引き出しに入れていたので、若松通商で2716を買うとき「メーカーの指定はありますか」と訊かれてつい「ありません」と答えてしまった。結局、10個買ったうちの6個がモトローラのTMS2716だった。使える2716(左)とダメなTMS2716(右)を並べて記念撮影。

テキサスインスツルーメンツやモトローラがどういう勝算でインテルより電源をひとつ余計に使う2716なんか作ったかというと、これは一世代前の2708と互換をとってある。2708の書込み装置のファームウェアをアップデートするだけで書き込めて、配線を1本追加するだけで2708のICソケットに差し替えられる。いま振り返ればいくぶん後ろ向きの戦略だが、先々EEPROMがどういう発展を遂げるかわかっていない当時からすれば、これはこれでひとつの選択だったと思う。

テキサスインスツルーメンツは次世代の2732でも同じ戦略をとって2716とピン互換の製品を作った。この段階ではさすがに一抹の不安を抱いたらしく、インテルの2732に合わせた製品も作ったので、2716と互換のほうは型番が2532になった。若松通商の在庫を調べると2532のCMOS版の2532JLがある。今度2732を買うときには気を付けなければならない、なんて考えていてふとひらめいた。もしかしたら2716の書込み装置で2532JLを書き込めるのではないか、だとしたらもう猛烈な発熱に悩まされることはなくなるんじゃないか。

調べてみるとハードウェアの変更は不要。ファームウェアを少し変更するだけで対応できる。もし先頭から2Kバイトだけが書ければいいならファームウェアの変更さえいらない。一筋の光明が射した。っていうか、本来の目的は2716にTiny BASICを書くことだったのに、いつの間にか書き込み装置の完成を目指し、EEPROMは何でもいいって話になってるな。

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