脈拍計の大いなる誤解

このブログで被参照数の第1位は1970年代のCPUではなくなぜか脈拍計の回路図。で、みんながどんな脈拍計を作っているのだろうと検索してみたら、あらら、不思議な回路がいっぱい。はじめに断っておくが不思議な回路を作ることはアマチュアの特権であり、ちゃんと設計しろなんて説教するつもりはさらさらない。しかし、ちゃんと設計したい人が間違った知識を身に付けたらまずいので、いちおう、正しい理屈を述べておく。

不思議な回路の典型例を下に示す。オペアンプをバイアスなしで動かしていて、入力信号の下半分が失われる(これは反転増幅器だが、便宜上、図中に描いた信号は反転させていない)。確かにオペアンプの教科書を見るとこういう回路が掲載されているが、それは伝統的なオペアンプが正負2電源(たとえば15Vと-15V)で動くから。それをそのまま単一5V電源で動かしたら、まあ動くとは思うが、奇天烈な動き方をすると思う。

beat_bad

単一5V電源で動かす場合の正しい回路を下に示す。オペアンプにバイアスを加え、入力信号の全体を出力する。回路としては抵抗を1本追加しただけ。その抵抗値の決め方が難しいのだが、そこは「脈拍計が完成」でひとつの結論を出している。

beat_good

実はもうひとつ、よく見かける重大な誤りがある。この回路の抵抗とコンデンサはハイパスフィルタを構成しており、直流を含む、低い周波数をカットする。その遮断周波数が、一般的に高すぎる。脈拍は健康な人でも60あたりまで下がるが、これは1分あたりの脈なので、60Hzではなく1Hz。遮断周波数は思い切り低くとらないと、何を増幅しているのだかわからない回路になってしまう。

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