腕前自慢するぞ宣言

このブログでは今や伝説の存在と化した1970年代のマイクロプロセッサの実物を見付けて実際に動かすことができたら勝ちとする、まあ一種のゲームをやっている。自己中心的なゲームだからボクが強いに決まっているが(最近は強敵が参戦してきたが)、一部アイテムの販売を始めて以降、腕前自慢が宣伝みたいに受け取られる懸念があって、やや躊躇していた。こういう状態は気持ちが悪いので今後は誤解を恐れず心行くまで成果を披露しようと思う。って長い前説をぶっておいてSBC6303試作機のどうだ凄いだろみたいな話。

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別窓でPDFの回路図を開く

SBC6303のマイクロプロセッサは短くいうと6803で、古い中では新しく、動かしやすいため動かしたこと自体はさほど自慢にならない。SBC6303の目的は40ピンボックスヘッダに68系のバスを引き出し、メモリやまだ動かしたことがない周辺ICをテストすること。それが便利なようにサイズはタイプBのユニバーサル基板と同寸。タイプBに40ピンボックスヘッダの場所を確保して残ったところでコンピュータを成立させるには6803でなければならなかったのだ。ちなみに、バスの信号名をハンダ面にシルク印刷してある。

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せっかくバスがあるのだからこれを生かす試みとしてROMに書き込み信号をつなぐ改造をやってみた。ROMのかわりにRAMを挿し、外部からプログラムを送り込めたら便利だと思ったのだが、これはやめる。RAMを使わないで普通に動かすときROMがEEPROMだとLILbugのちょっとした操作ミスですぐ内容が破壊されてしまってとても不便。やるとすれば外部に置いたRAMにプログラムを書いてバスにつなぐほうが現実的だ。

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スペースに少し余裕があるからパイロットランプとリセットスイッチを追加。パイロットランプのLEDは何でもいいが、部品表では秋月電子通商などで販売されている無極性LEDを推奨しようと思う。それで技術資料の組み立てかたの説明を簡略化できる。なお、本番ではLEDと抵抗の位置を右へ2.54mm移動して美観を整え、パターンを変更するついでにLEDの下のビアホールをなくし、シルク印刷の名前をSBC6303にする。

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プリント基板のリビジョン01から06まで解決しなかった問題、すなわち、一部のUSB-シリアル変換ケーブルをつないだときパワーオンリセットしない件(USB-シリアル変換の怪奇現象などを参照)は、このリビジョン07でようやく解決。原因はCMOSのマイクロプロセッサがTXDやRXDの電圧で勝手に起動してパワーオンを認識しないこと。TXDとRXDに抵抗を入れたところ、長い間の苦労が嘘みたいにパワーオンリセットが正しく動作した。

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SBC6303は事情が許せばルーズキットを販売しようと考えている。厚かましい話で恐縮だけれどボクがやろうとしていることは1970年代のスティーブ・ウォズニアクと同じだと思ってほしい。彼は腕前自慢をするためにApple Iのプリント基板を販売しようとしたのだ(結果的にはスティーブ・ジョブズが商売にしたが)。もしボクがルーズキットで一儲けをたくらむとすれば、お陰様でSBC6800/SBC6809ルーズキットがご好評を得ている間、次の製品のことは内緒にしておいてその売れ行きを止めないように配慮するな。

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腕前自慢するぞ宣言 への2件のフィードバック

  1. DAI より:

    こんにちは。
    SBC6303、販売されれば購入させていただきます。
    DCジャックを変更されてますね。こちらの方が耐久性があるかな。

    • vintagechips より:

      DAIさん、こんにちは。そう、腕前自慢なんかしちゃってるけどDCジャックの長穴とハンダ面のシルク印刷はDAIさんのプリント基板にならいました。丸穴とどちらがいいかは一長一短があってまだ結論を出せません。これを販売するまでには山のような手続きが必要で、しばらく先の話ですから、また随時報告しますね。

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