脈拍計が完成

過去2度にわたって辛酸をなめた脈拍計が3度めにしてついに完成、素晴らしい特性を出した。製作例の外観と回路図を下に示す。フォトリフレクタLBR-127HLDの電流を抵抗で電圧に変換し、バンドパスフィルタを兼ねた反転増幅回路2段で、1Hz~28Hzの振れを140倍に増幅する。重要なことはバンドパスフィルタのカットオフ周波数と反転増幅回路のバイアス電圧。下の回路図には試行錯誤を経て決定した秘伝(発表しといて秘伝も何もないが)の抵抗値が書き込んである。ネットでよく見かける製作例は1.6Hz(脈拍96)以下をカットしてしまったりバイアス電圧なしの(波形の下半分が失われる)増幅回路を使っていたりするが、ちゃんと動いているのだろうか。

脈拍計完成版の回路図(PDF)

下の波形はぼくの人差し指の脈拍(クリックで拡大表示します)。目盛は時間軸が0.5秒、電圧軸が1V。電源が電池3本の4.5VなのでLM358Nの出力電圧範囲は0.1V~3.1Vとなり、波形はこの範囲を超えるとクリップする。前述の秘伝の抵抗値により上下のクリップのしかたがほぼ同じ、理想的な振れ方。ほかに15歳から86歳の6人に協力してもらい、ただ「指を乗せて静止してください」というだけの説明で明確な脈拍が観測された。この出力をマイコンのコンパレータに入れ、閾値2Vあたりで読み取れば完璧。波形が少し歪んでいるのは血流の行きと帰りを検出しているから。この調子だとADコンバータで読み取って動脈硬化の兆候を検出することもできそう。

回路は例によってサンハヤトのワイヤードユニバーサル基板に組み立てた。カット図と部品配置図を下に示す。過去最高の部品点数だが、やはり電線を1本も使わずに配線が完成した。あと2、3個、部品が増えても何とかなると思う。繰り返して恐縮だが、これはワイヤードユニバーサル基板が素晴らしいのではなく、練り上げた配線の賜物である。

回路図とカット図と部品配置図があるから同じものがすぐ作れると思うかもしれないが、ワイヤードユニバーサル基板をこんなふうにカットするのはそう簡単でない。ワイヤードユニバーサル基板を便利に使うには、よいカットの方法を見付けなければならない。いまのところ最高の道具は普通のカッターの刃が少しこぼれて切れ味が鈍ったやつ。指先でパタンの当たりを感じつつ削り取る要領。サンハヤトがいう(ハンド)ルーターは先端が滑ってまったく思いどおりにいかない。まさか、プリント基板を加工する本物のルーターを使えってことじゃないだろうな。

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脈拍計が完成 への2件のフィードバック

  1. edy より:

    こんにちは、脈拍計の実験をしていてこちらにたどり着きました。
    秋月パルスを参考にして実験していますが、たしかにハイパスのカットオフ周波数は高いように思います。
    勝手ながらリンクさせていただきました。
    よろしくお願いします。

  2. vintagechips より:

    コメントありがとうございます。このブログはリンクフリーです。カットオフ周波数は明確な計算の間違いですね。ボクとしては単電源のオペアンプで交流を増幅するのにバイアスを掛けない使い方も凄く気になるところです。バイアスなしは直流を増幅するときの使い方です。

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