実はCOSMACやってます

1970年代のCPUを語って間もなく14年めに突入するこのブログでいまだCOSMACに一言も触れていないのは恥ずかしながらその存在を知らなかったから。知ったのは3年前、世界で最初のCMOSマイクロプロセッサはHD6303だよねってツイッターで言ったらほうめいさんが違うよCOSMACだよと教えてくれた。いまさらわかったような解説をするのもどうかと思うので概要はWikipediaのRCA 1802にお任せする。実物(同等品)はこれね。

COSMACの実践的な情報源は、世界的にはThe 1802 Membership Card、日本ではCOSMAC研究会かな。実物を入手したあと動かしかたで悩んでいたらCOSMAC研究会のかんぱぱさんがCPUボードとプログラムローダーボードをプレゼントしてくださって、とんとん拍子にLチカへ到達。おかげでハードウェアの構造はほぼ理解できた。ソフトウェアは勉強不足だが、よくできたBASICが流通しており、困ったことにぜんぜん困らない。

このブログでは、CPUをひとつモノにしたら、なるべくシンプルな回路に組み直し、プリント基板を頒布するのが恒例となっている。回路を組み直す段階で見落としていた知識を拾えるし、うまく動いたとき関心を寄せてくれたみんなと達成感を共有できたら嬉しい。てことでSBC1802の第1号機はこんな感じ。動くには動いたが、多少の問題があるし、なくていいものがいくつか付いている。それに気づかせてくれたことが第1号機 の成果。

COSMACは最高速を目指すより適度な速度にとどめて消費電力を抑える傾向があり、典型的なクロックは 1.79MHz付近。既成のソフトウェアを流用するためSBC1802はクロックを1.79MHzとしたが、もはやその周波数の水晶振動子が存在しない。解決策はnot logicalさんにいただいた。水晶振動子のまわりに余計な穴をあけておいて、既存のソフトウェアが1.79MHzを要求するときには分周可能な水晶発振器を取り付けられるようにした。

クロック1.79MHzを要求する代表的なソフトウェアRCA BASIC3が第1号機で起動。ただし電源スイッチをオフにした状態でも起動してしまう。全部のICをCMOSとしたときに起きるいつもの現象に対策を講じ忘れたことは、うかつではあったが致命的な問題ではない。SBCV20ほかで経験しており、Electrelicさんのアイデアによりすっきり解決することがわかっている。具体的なことは SBCV20の紆余曲折をご覧いただきたい。

電源スイッチがオフでも起動するくらい負荷が軽いならバスパワーで動く可能性が高い。同じく負荷が軽いSBCV20は、バスパワーだと電源スイッチを入れたとたんUSB-シリアル変換アダプタがリセットしてしまったが、SBC1802のほうは大丈夫だった。以上のとおり、みなさんのお知恵を拝借してSBC1802の第2号機を設計。その姿は、もうだいぶ話が長くなったので、次回の投稿で紹介する。

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